鏡を見たとき、舌の表面が白っぽくなっていることに気づいたことはありませんか?これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる細菌や汚れの集まりで、誰にでも見られる現象です。
定期的に舌磨きをすることで舌苔を取り除くことができますが、特に舌の奥に溜まった舌苔はなかなか取れず、困っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは舌の奥に付着した舌苔が取れないときの対処法や、予防策について詳しく解説します。
舌苔が付着しやすい場所と原因
舌苔は特に舌の奥、舌根(ぜっこん)と呼ばれる部分に溜まりやすい傾向があります。この部分は唾液がうまく届かず、舌が動く際に上あごと擦れないため細菌が増殖しやすい環境が整っています。
舌苔は奥から付着し始め、徐々に手前に広がっていきます。舌全体が白っぽくなっている場合、かなりの量の舌苔が付着している可能性があります。
舌苔ができやすい人の特徴
舌苔ができやすいかどうかは、個人の体質や生活習慣にも左右されます。
以下のような特徴を持つ人は、特に舌苔が付きやすいです。
ストレスを感じやすい
ストレスが多いと唾液の分泌が減少します。これは交感神経が活発になることで副交感神経が抑制され、唾液が出にくくなるためです。
唾液は口内を潤し細菌の増殖を抑える役割を持っているため、唾液の減少は舌苔の蓄積につながります。
ストレスを感じやすい人は、定期的なリラクゼーションやストレス解消法を取り入れることが重要です。
口呼吸の癖がある
鼻炎やアレルギーで鼻が詰まっていると、口呼吸をする習慣がつくことがあります。
口呼吸は口内を乾燥させるため、舌苔が付着しやすくなります。
口呼吸が続く場合は、耳鼻科で適切な治療を受けることも検討しましょう。
オーラルケアが不十分
食後や就寝前に歯磨きを怠ると、口内に細菌が増殖しやすくなります。
舌苔はこの細菌の集まりなので、オーラルケアを疎かにしていると舌苔が溜まりやすくなります。
食後は歯磨きをするか、水で口をすすぐ習慣をつけると良いでしょう。
舌苔を取り除く方法
舌苔が取れないときの具体的な対策として、次の方法を試してみてください。
専用の舌ブラシで舌磨きを行う
舌苔を取るためには、専用の舌ブラシを使った舌磨きが効果的です。歯磨きと同時に舌磨きを習慣化することで、舌苔が原因となる口臭の予防にもつながります。
舌ブラシを使う際は、舌の奥から手前に向かって優しくブラシを動かすことがポイントです。逆に手前から奥に動かすと、細菌が喉の奥に入り込む恐れがあるため注意が必要です。
舌の奥までブラシを挿入するとえずきやすい場合は、できるだけ舌を前に出すと嘔吐反射を防ぎやすくなります。ブラシに舌苔がつかなくなるまで、数回にわたり優しく磨くと効果的です。
こまめに水を飲む
唾液には口内を清潔に保つ働きがあるため、唾液の分泌を促すことが舌苔の予防に役立ちます。こまめに水を飲むことで口内が潤い、舌苔の付着を防ぎやすくなります。
朝起きた後や食後にコップ一杯の水を飲むことを習慣にすると良いでしょう。
緑茶やコーヒーなどポリフェノールが含まれる飲み物は唾液の分泌を抑えるため、これらを多く摂取するのは控えた方が無難です。
ストレスを減らす
ストレスが原因で唾液の分泌が減少するため、生活習慣の改善も重要です。休日にしっかりと休息を取りリラックスできる時間を持つことが、ストレスを減らし唾液の分泌を促す手助けになります。
自律神経を整えることで、結果として舌苔の予防にもつながります。
舌苔は日々のオーラルケアや生活習慣を見直すことで予防できます。舌苔がどうしても取れない場合は、専門の歯科医に相談するのも一つの手です。
適切なケアを行い、清潔な口内環境を維持することで、舌苔による悩みを軽減させましょう。